秩父市立病院
秩父
165床
2次救急
秩父鉄道「秩父駅」より徒歩10分
時間外手当
男性育休
福利厚生充実
託児所有
車通勤
転勤なし
週休2日以上
駅チカ
地域の中核病院として、急性期から慢性期、終末期まで幅広い医療を展開していますので、いわゆる地域医療の本質を経験することができます。
総合診療専門研修PGでは、山間地域の医療を医療圏全体という、広い視野と多角的な視点で学べる市町村を超えた広域連携型のプログラムです。
様々な医療機関に在籍することで、それぞれの立場からの地域医療を体験しつつ、一貫した身分での総合診療教育と保障を受けることができます。
総合診療科
総合診療専門医養成プログラム「ちちぶ」
総合診療科
総合診療専門医養成プログラム「ちちぶ」
総合診療科
総合診療専門医養成プログラム「ちちぶ」
患者さんが希望する「最期」を支える…。それが在宅医療のやりがい
「将来は在宅医療や地域医療に携わりたい」という明確なビジョンを持って自治医科大学に進学したという栃村先生。総合診療専門医養成プログラム「ちちぶ」を選んだ理由は、大学の先輩からの声かけが決め手だったと言います。現在はプログラムを離れて大滝国民健康保健診療所 所長を務める栃村先生に、地域医療のやりがいなどをお聞きしました。
取材日:2024年8月
更新日:2024年09月
栃村 亮太とちむら りょうた
医師期間
専攻医1年完了(現在、カリキュラム制で離脱中) (医師5年目)※取材当時
出身大学
自治医科大学
お住まい
車で30分の住宅を診療所が借り上げ
将来の目標
総合診療医の中でも、特に地域医療や在宅診療志向の医師を目指している
プログラムスケジュール
プログラム指標※インタビュー対象者の個人の主観です
頼れる先輩のもとで地域医療を学ぶことを決意
医師になったら在宅や地域医療をやりたいと思っていたので、卒後にへき地医療を経験できる自治医科大学に進学したという経緯がありました。そんな僕にはこのプログラムが合っていると思いましたし、自治医大の先輩でもある加藤先生(総合診療専門医養成プログラム「ちちぶ」指導医・プログラム統括責任者)に誘っていただいたこともあって、迷わず参加を決めました。かねてより加藤先生が家庭医療や地域医療に力を注いでいることを知っていましたから、先生のもとでなら充実した研修を受けられるだろうと思ったのです。加藤先生は指導医として適切なアドバイスをくださるのはもちろん、一人の医師として対等に話をさせていただく場面もあります。「友だち」と言ったら失礼にあたるかもしれませんが、地域医療に携わる仲間として語り合える風通しのよさも、このプログラムを選んでよかったと思うポイントです。
多くの経験を糧に成長できる研修環境
僕は出身大学の兼ね合いからカリキュラム制で研修を行っており、現在は基幹病院の秩父市立病院を離れて、下部機関である大滝国民健康保険診療所の所長を務めています。医師5年目で「所長」と聞くと驚く方もいるかもしれませんが、診療所の医師は僕一人なので仕方ないです(笑)。埼玉県(特に秩父)は人口に対して医師数が少ないため、上記のような管理職の貴重な経験や、専門に関わらず多様な症例をみる経験をすることができます。中には「これは自分でいいのだろうか?」と戸惑う場面もありますが、医師としての経験値は確実に上がるだろうと思っています。以前、研修医上がりたての医師3年目のときに、主治医として一人の患者さんを在宅と入院の両方で診て、最後はご本人の希望通り在宅で看取ったことがありましたが、そこで学んだことを糧に、今は一人診療所でも在宅看取りを行えています。「患者さんが希望する場所で亡くなる」ことをサポートできることは在宅医療の一番のやりがいです。
地域医療には「不便さ」を上回る魅力がある
秩父は自然豊かな山や木々に囲まれた盆地です。田舎ですから服を一枚買うにも電車に乗って都市部に出たり、県をまたいで群馬のほうへ行ったりしなければなりません(笑)。とはいえ田舎だからこそ患者さんとの距離が近いですし、主治医として病院から在宅まで一貫して関われることは総合診療を学ぶうえで大きなメリットだと思っています。今は所長という立場上、自分一人で判断しなければならない場面も多いですが、秩父地域には加藤先生をはじめとした自治医大の先輩方が複数いらっしゃるので心強いです。今のところ在宅医療が楽しくて仕方ないですし、きっとキャリアの最後まで在宅に携わっていくと思います。一方で地域医療を維持していくためには制度面の整備も大事になりますから、いずれは自治体などと連携して「地域医療の基盤づくり」にも関わりたいなと考えています。
1日のスケジュール
08:00
出勤 ※小鹿野中央病院での1日のスケジュールです※
08:00
回診
内科医師全員で一緒に回診
09:00
外来日は外来、検査日は上部内視鏡など
定期外来日、初診(walk in、救急車対応)外来日、上部消化管内視鏡の検査日、病棟当番など
13:00
訪問診療、検査日は下部消化管内視鏡、全体カンファなど
訪問診療は週1-2件、下部消化管内視鏡は週2件程度、初診・救急車・発熱患者対応当番(週1回)など
16:00
緩和ケアカンファ、コロナワクチン接種など
週1回緩和ケアカンファ、ワクチン接種当番(週1-2回)、初診・救急車・発熱患者当番(週1回)、など
17:00
残務処理や夕回診
午前・午後で業務がしっかり割り当てられていることが多いので、残った仕事をこの時間にこなす
19:00
退勤
18時30分~20時までにはだいたい退勤できる
経験症例
総合診療科
総合診療専門医養成プログラム「ちちぶ」 プログラム統括責任者
総合診療科
総合診療専門医養成プログラム「ちちぶ」 プログラム統括責任者
総合診療科
総合診療専門医養成プログラム「ちちぶ」 プログラム統括責任者
秩父地域で一貫した教育体制は、総合診療医としての礎を築くために最適
もともとは外科医志望だったという加藤先生は医師3年目でへき地医療に携わり、「緩和ケアにのめり込んでいった」と言います。総合診療専門医養成プログラム「ちちぶ」の指導医(プログラム統括責任者)であり、秩父市立病院 臨床研修管理室長を務める加藤先生にプログラムの魅力などを伺いました。
取材日:2024年8月
更新日:2024年10月
プログラム統括責任者 加藤 寿かとう ひさし
医師期間
18年目 ※取材当時
出身大学
自治医科大学/2006年3月
経歴
2008年4月 国保町立小鹿野中央病院 外科
2012年4月 自治医科大学附属病院 形成外科
2013年4月 国保町立小鹿野中央病院 総合診療科
2017年4月 医療法人社団鉄祐会 祐ホームクリニック
2018年4月 東京大学大学院 公共健康医学専攻(専門職学位課程)
2019年4月 秩父市立病院 臨床研修管理室長
認定
日本内科学会 認定内科医
日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医・指導医
日本在宅学会 在宅医療専門医・指導医
国保地域医療学会 地域包括医療・ケア認定医
プログラムスケジュール
プログラム指標※インタビュー対象者の個人の主観です
外科志望から総合診療へ。背中を押したのは患者家族の感謝の言葉
私は自治医科大学を卒業し、医師3年目に国保町立小鹿野中央病院(埼玉県秩父郡小鹿野町)に派遣されました。もともとは外科医として赴任したはずなのに、日々の診療は緩和ケアや抗がん剤治療が中心です。当時の私は、手術をして患者さんを治すことが医療だと思っていましたから、緩和ケアばかりの毎日に無力感を覚えることも少なくありませんでした。そうした中で、ある患者さんを在宅で看取ったことが転機になりました。「何もできずに患者さんを亡くしてしまった…」と敗北感にさいなまれていた私に向けて、ご家族が感謝の言葉をかけてくださったのです。患者さんやご家族に寄り添い、望みを叶えてさしあげることがこんなにも喜ばれるのだと気付き、このことをきっかけに外科から総合診療科へと方向転換しました。まさか自分が在宅医療や緩和ケアに携わるとは、学生時代には思いもしませんでした(笑)。
プログラムは全て秩父地域で完結。マイナー科の研修も万全
本プログラムの魅力は大きく2つあります。1つ目は、自然豊かな環境の中で地域医療をじっくり学べ、顔が見える関係性を築ける点です。研修は全て秩父地域で完結しますから、遠くの医療機関に行ったり、引っ越しをしたりする必要はありません。およそ40年の医師人生のうちほんの3~4年、若いうちに田舎で地域医療を経験してみるのもいいのではないでしょうか。2つ目のメリットは各診療科の専門家のもとで、充実した研修を受けられる点です。マイナー科といわれる皮膚科、耳鼻咽喉科、婦人科なども地域の診療所でしっかりと学ぶことができ、希望者は家庭医療専門医取得を目指すことも可能です(4年目:小鹿野中央病院)。また私のほかに在宅医療専門医も指導にあたりますので、在宅を学びたい人にもおすすめです。残念ながら当院で3次救急を経験することはできませんが、医療過疎地だからこそ幅広い経験ができ、そのことが医師として大きな財産になるものと思います。
田舎ならではの和やかな雰囲気のなかで医療の枠を超えた経験を!
専攻医を指導する際には、しっかりとコミュニケーションを取ることを心がけています。週に1度は1時間ほど時間を取って振り返りを行っているほか、ポートフォリオ(レポート)の効率的な書き方をアドバイスすることもありますね。また気付いたときには「研修の進み具合はどうか」「困っていることはないか」と声をかけ、進捗状況を確認するようにしています。プログラムを選ぶにあたって、秩父の田舎で暮らすことに不安を感じる人がいるかもしれませんが、当院のスタッフはみんな優しい人ばかりで、専攻医をあたたかく迎えています。自分の経験を踏まえても「地域医療をやるなら田舎のほうが絶対に楽しい!」と言えるのですが、こればかりは実際に見てもらったほうがいいでしょう。見学は随時受け付けていますので、中小病院のホスピタリストを目指す人、在宅医療を学びたいと考えている人にはぜひ足を運んでみてください。専攻医は「ちちぶ圏域ケア連携会議」の事務局運営や企画に携わることもできますから、きっと医療の枠を超えて貴重な経験ができると思いますよ。
1日のスケジュール
08:30
出勤
出勤後、病棟回診、病棟カンファランス
09:00
外来
初診外来、予約外来を週1日ずつ
12:30
昼休み
1時間程度
13:30
病棟カンファランス
病棟看護師とのカンファランス
14:00
病棟業務
入院患者の指示出し
16:00
新患カンファランス
週2回、新規入院患者のカンファランス
17:00
病棟回診
17:15
退勤